文の其方

文を吟ってます

シャンティランカ

その夏が来る少し前から漠然とわかっていた。
もう限界なんだって事。
もうこれ以上この人達とは一緒にいれない事。

この夏の旅行が、この人達との決別の旅になる事も。
インドの横の小さな島。
私にとって大切な国になった。

私が欲しかった、生きるという事を皆が生々しくも様々に生きていた。
湿った空気の中で皆が、艶かしく自分達の命を生きていた。

貧しいのはどっち?
私達だった。