文の其方

文を吟ってます

専制主義

8月31日の晩。

うやうやしく父が私を呼ぶ。

母の印象は全く残って無いが同席していた記憶がある。

もったいぶった感じで父が私に報酬を渡す。

ありがとうと言って3万円を受け取る。

やっぱ変。
嫌な気分。

父が言う。

初めて自分で稼いだ金を、いつも世話になっている親に1万円でも、渡したらどうだ?

びっくりした…と思う。
耳を疑った…と思う。

でも、不思議じゃなかった。
そういう男だ。
奴は。

断る訳にはいかない。

断れば3倍になって返ってくる。
最悪を回避する為に身を切る。
被害を最小限に留める為に感情を死なす。

1万円を奴に渡した。
奴は満足そうだった。
虐げられてきたモノが更に弱いモノを虐げる時の悦に入った瞬間の卑下たどや顔。

吐き気がする。

お父さん

あのお金

何につかったの?