文の其方

文を吟ってます

夏休み

中1の夏休み。

アルバイトの女の子が来なくなったから、店を手伝わなければならなくなった。

父に打診され、打診という名の強制だった。

私には何時だって選ぶ余地は無かった。

朝、6時台に起きて店を開ける生活は小1から始まって、表を掃いて水を撒くのは私の仕事だった。

朝ごはんは、いつの間にか用意してくれなくなったから、食べるモノを冷蔵庫等から漁って食べる。

7時に店を開けた後、9時まで休憩を貰い15時まで働く。
5日の休みを貰い、夏休み中働いて3万円を貰う契約を父と交わした。

私は、軟式テニス部に所属していた。
休む理由を言うに言えない。

3回、無断で休んだら退部になる。
丁度よかった。
しんどいし、やめたかったし、合ってない気してたし、やりたいって言った手前、自分からやめるって言ったら何言われるか…ゾッとする。

これだと、何も言われない。
大義名分ができた。

でも、やっぱり今思い出しても、

砂を噛む感じの嫌な気分になるんだ。