ドア
納得はいかなかったけど、習いたかった。
1万5千円を通帳からおろした。
初日の日、馴染みのショッピングセンターの2階の1室に時間通りに行ったけど、ドアを開けたら広いとも言えない部屋で、お母さん達の背中が塀のようにそびえ立ち、何人かが振り返った。
やっぱり皆、お母さんと来るんや…一緒に来てほしいと頼んだけど1人で行くようにと言われた。
不安だった。
知った場所の中ではあるけど、初めての場所。
1度家に戻り、多分その旨を話したと思うけど、また1人で戻った。
遅刻だった。
勇気を出してもう1度、ドアを開けた。
一斉に皆がこちらを見た。
アイム ソォリー アイム レイト
私が初めて覚えた英文だった。